僕の死に方
 そして藤見正信は、変わった。
 内気な性格は相変わらずだけど、笑うようになった。
 クラスの人間に、以前と比べればよく話しかけるようになったし、口ごもることも少なくなっている。
 藤見正信の急変に動揺を隠せなかった生徒も多いけれど、今ではそれなりに馴染んでしまっていた。
 彼の柔和な性格ならば、本来は当然の光景なのだ。
 ただ、今までは上手くやれていなかっただけ。
 今の藤見正信なら、もう二度と、破綻することはないだろう。

 僕の計画は、藤見正信にとっては最良の結果を導き出した。

 そしてそれは同時に、藤見正信が僕の命を奪うことは、もう二度と無くなった、という意味を含んでいる。
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