LOVE SCHOOL
■1 LOVE■
大好きな人
「美波〜、ノート移させて!」
「また〜?…いいけど…」
「サンキュ!」
そう言ってあたしの手からノートをスルリと取っていく。
「ちょ…、優介ー!」
あたしが大好きで、大好きで……
言葉で伝えきれないくらい好きな人、三浦優介。
バカで、単純で、授業だってろくに聞いてない。
でも………背は高くて、バスケが上手くて、笑うと少し垂れる目元だったり、大好きな所をあげたらキリがない。
高校に入学してすぐに意気投合したあたしたち。
始めは友達として。
でも、段々男の子として好きで好きで………
でも、その気持ちに気づいたときにはもう遅かった。
だって……………
彼には好きな人がいたから
優介の好きな相手はあたしの親友の愛奈だった。
それは、あたしが自分の気持ちに気づいた日と同時に告げられた。
『俺、高橋のこと好きなんだ…。だから協力してくれ!』
そんな風に必死になっている優介を見るとなんだか自分を見ているようで嫌とは言えなかった。
『……しょうがないなぁー……いいよ。』
それしか言えなかった。