楓クンのHappy*Xmas☆*:・゚




「えー……食べ物以外って、難しいよ……」


お前の好きなものは全部食い物なのか……。


そう、思わず言いそうになった言葉をゴクリと飲み込んだ。


「なんか、したいこととかねぇの?」


「したいこと? んー……」


しばらく考えてから、穂香は深いため息をついた。


「やっぱり一つしか思いつかないや……」


「ん? なんだよ?」


やっと思いついたか。


俺が聞き返すと、穂香は満面の笑みを浮かべて言った。








――12月25日


クリスマス。


俺は駅前のショッピングモールの一階の食品売り場に来ていた。


ピーマンと人参。それから……


メモ用紙に書き出した食材を次々と買い物カゴを放り投げていく。


ったく、穂香は……


――『食べきれないくらいの美味しいごちそうが食べたぁい!』


なんて言うもんだから。


本当、呆れたものだ。


……まあ、そう言うからには仕方がない。


と、俺はクリスマスのための料理の食材を買いに買い出しに来たってわけだ。






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