クリスティアナ

手紙

紙を開いてみると再び『クリスへ』の文字。


お前に話さなければいけないと分かっていても、なかなか切り出せず手紙で知ることになってしまったな。

わしはお前をずっと欺(あざむ)いて過ごしてきた。

いつかは罪を償うために話さなければならないと思うほど、お前に嫌われたくない気持ちが胸を占めた。

すまない……こんな形で知らされることになったお前が可哀想で仕方がない。

お前の名前はクリスティアナ・ロール・アルビーン。

わしたちのせいで滅びてしまった王国の王女だ。

わしたち盗賊は5人で常に動いていた。

鉱山を襲った時、国王一家が視察に来ていたのは偶然だった。

警備兵らとし烈な戦いが始まり、とうとう国王一家を追い詰めた。

国王一家を見た時は神々しい気持ちになった。

なぜならば、妖精の子孫だと言われている一家は全員がお前と同じ色の髪だった。

神秘的で神のような国王と王妃、そして王子2人と……お前は天使のようだった。


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