クリスティアナ
自分を取り巻くふわふわの存在……。



クリスは居心地の良い寝台の上で目を覚ました。



朝日が薄いカーテンから差し込み、天蓋の薄布の隙間から顔に当たっていた。



「ぁ……」



ここは……。



城で与えられた自分の部屋だった。



帰って来たんだ……。



キースに抱きかかえられるようにして馬に乗ってからの記憶がない。



「クリスティアナ様 お気づきになられましたか?」



天蓋の薄布の向こうから女性の声がした。



「は、はい」



クリスは痛む腕に顔をしかめながら身体を起こした。



起こすと同時に天蓋の薄布から女性が顔を見せた。



リリアだった。



「まだ起き上がるのは早いです 横になられてください」



「……俺……」



「昨晩遅くに到着なさったんですよ ガラム様の所見では数日はお休みになるようにと」


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