クリスティアナ
「召し上がられましたらお休みください」



そう言うとリリアは部屋を出て行った。



美味しそうな料理を目の前にしても、食欲が一気に失われた。



それでも無理にパンを口に放り込む。



放り込むとうまく咀嚼が出来なくてゲホゲホと咳き込む。



「お前、何やってるんだ!?」



胸を抑えながら咳き込んでいると、キースが姿を現した。



来た気配も何も分からなかった。



「パ、パンが、っまっただけだよ!」



スープを急いで飲み、パンを飲み込む。



「大量に詰め込むからだ もう少し上品に食わないと嫁の貰い手がなくなるぞ?」



まただ……みんなが俺を結婚させようとしている……。



「それでもいい!もともと結婚なんてしたくないんだ!」



腹が立ってキースを睨みつける。



「落ち着けよ また熱が上がる」



興奮気味の俺に対して、キースは冷静だ。



じっと見つめると、あの唇が俺の唇に重なったことを否が応でも思い出す。



「な、何の用なんだよ!?」



キースがそばに居ると落ち着かない。



俺の神経は張り詰め、心が痛くなる。



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