クリスティアナ
「どうなんだ?」


「わたしにはどうすることも出来ないのです……」


力ない自分が恨めしい。


薬師はがっくりと肩を落とした。


キースは自分の外套を脱ぐと意識のないクリスを包み抱き上げた。


「何をっ!?」


「城へ連れて行く」


キースは抱いた娘の熱さに驚いた。


女主人は城へ連れて行くと聞き喜んだ。




酒場まで戻ると外につないでいた黒毛の馬にクリスを抱いたまま身軽に飛び乗った。


キースの愛馬はキースにしか懐いておらず、他の者が触ろうものなら暴れる。


今日は娘を探すつもりだったので、馬で城下に下りてきたのだ。


キースは愛馬を飛ばした。


腕の中の娘の意識はなく、キースに緊張が走った。



< 41 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop