クリスティアナ
「その短刀になんらかの菌が付いていたようですね」


一日でこれほどまでに膿むとは……。


薬師は器具を傷口にあててかきだす。


その物凄い痛みに気を失っていた娘が目を覚まし叫んだ。



「うわぁーーーーーーーっ!!!!」


高熱で動けない身体なのだが、焼けつくようなあまりの痛みに飛び起きる。



「っあ、ここ……はっ!?」



見知らぬ場所と見知らぬ男がいて娘の顔が恐怖におののいた。



「城の医務室だ」


反対側から声がしてビクッと振り向いた。


「お、お前はっ!」


昨日の男を目にしてクリスは驚いた。


しかしすぐに襲ってくる眩暈に頭を落とした。



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