クリスティアナ

王国の話

ルーファスらは執務室にいた。



ロイドが分厚い書を持って来た。



書を開いてルーファスの目の前に置く。



「非常に興味深いですね」



ロイドが楽しげに言う。



「何が興味深いんだ?」



「ここを見てください」



開いたページの場所を指差す。



ルーファスはその場所を読んでいく。



「違うのは年だけ もしかしたらその娘は3才の時に誘拐された王女かもしれません」



17年前、シェルトランドから遠い小さな国に悲劇が起こった。



国王夫妻が盗賊らによって殺害されたのだ。



その国は金や鉱石が採掘され、小さいながらも裕福だった。



惜しみなく同盟国にも輸出していたので戦争もなく平和な国だった。



しかし、17年前のある夜 宝石を狙った盗賊らに採掘場所を訪れていた国王一家が惨殺されてしまったのだ。



国王一家には子供が3人いた。



10才と7才の2人の王子 そして3才の王女。



しかし見つかった遺体は4人だけ。



3才の王女の小さな遺体はなかった。



王女だけが忽然といなくなった。



犯人の盗賊らは捕まる事はなかった。



< 71 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop