クリスティアナ
クリスは沙羅とロイを交互に見てしまう。


本当に親子？まるで姉と弟みたいだ……でも国王陛下のミニチュアみたいにそっくり……。



「お怪我は大丈夫ですか？貴方はとても強いってキースから聞きました」



思いがけなくキースの名前を聞いて胸がトクンと鳴った。



なんで？



「お、俺は強くない　強かったらこんなケガはしません」



「キースは強いのに貴方を守れなかった　相手はとても強かったんですね」



「違う！あいつ等は強くない！今度会ったらただではおかない」



クリスの言葉に沙羅たちが目を丸くして驚く。



「それって、戦うってこと？」



沙羅が聞く。



「そうです　死にそうな目にあったんだ　今度会ったら――」



「ダメです！」



ロイが遮（さえぎ）った。



クリスは怪訝そうにロイを見た。



「貴方は女性なんです　危ないことはしてはいけません！女性は男性に守られなくてはいけないんです」



そんなことを言うロイにクリスも驚いたが、沙羅はもっと驚いたが口元に笑みが浮かんだ。



ロイ、大きくなったね　ちゃんと騎士道精神持っている　なんだかルーファスを見ているようだよ。



「俺は男なんかに守られなくてもいい……」



男として育てられたクリスはロイの言葉に穏やかではいられなかった。



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