クリスティアナ
「そうだな お前は女だから男の力にはかなわない だから変なことを考えるのは止めた方がいいぞ?」



「変なこと?」



「お前を斬った男に今度会ったらただじゃおかないんだろう?」



「そうだ!そうでもしなければ腹の虫がおさまらない!」



返ってくる言葉はキースの期待を裏切らなかった。



気が強い女も嫌いでないことにキースは気づいた。



「下手をすると死ぬかもしれないんだぞ?」



「それでもあいつを許さない そんなことよりもなぜほったらかしにし
た!?」



「ほったらかし?」



腕を組んで首を傾げているキースにクリスは苛立った。



「そうだ おかげで女の言葉を覚えさせられているんだ」



「全然女言葉になっていないじゃないか」



以前と全く変わらない言葉づかいだ。



「言えるかっ!」



キースの脳裏にルーファスの言葉がよみがえる。



――女だという事をお前が分からせてやればいい――



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