水嫌いマーメイド
「むーぬー!
(訳・ねーねー!)」
『はいはい、待ちなさいッ!』
最後に、ありったけの力でギュッっとつまんでから、可耶の口を離した。
“あ゛ーしんどかった…”と溢しながら、人差し指をあたしに向けて立てて口を開いた。
「さて、問題です☆
ここまで、運んで来てくれたのは…」
『…水沢ッ!?』
「じゃなくてぇ~?」
『……滝山…』
「正解ッ!おめでとー♪」
『めでたくなーい……』
起き上がらせていた体をソファに叩きつけた。クイズ番組で正解したら優勝でも、いくら美味しくても、こんな正解は要らない。
「まぁ、滝山に後で礼しときな。あと、水沢クンにもね」
『…何で水沢?滝山は………まだ分かるけど』
「バ…ッカじゃない!!??」
可耶が大声を出して、無理矢理あたしの体を起こした。
「妃泉が気絶したから女子の分まで、水沢が働いてくれてるのに!!」
『……何で?みぃちゃんとか、他の先輩に頼めば良いじゃない?』
「ほんっと、鈍いねぇ~。滝山の命令と、水沢本人たってのお願いだよ?」
『…………ほぇ?』
滝山の命令は分かるけど……何で、水沢のお願い?みぃちゃんなんて、あたしより、すっごく頼りになるのに…。
……理解不能…なんですけど…。
「とりあえず、あと10分は横になっときなさいよ。一緒に居てあげるから」
『嬉しいんだけど……もしかして応援が、めんどいだけじゃないの?』
「ザッツラーイ!その通りで~す♪」
『…サボり魔』
「一週間近く休んだ妃泉にゃ負けるけど☆」
…よく覚えてるのね人の事だけは。
ごそごそと可耶は体操服のポケットからジャラジャラとキーホルダーが付いているケータイを取り出して、何やら操作を始めた。
『……何してんの?』
「何してって…メールよ、メール!!」
『誰に?友達に?』
「違うわよぉ!先生に♪」
先生……とは…アレを連想するのは、あたしだけなのだろうか?