ミルクティー
ピンポーン

今日はこの間のような失敗はせずにちゃんと時間どうりに着けた。


「いらっしゃい」

玄関には優しい笑顔を向けてくれる海斗がいる。
朝はいつも眩しい位なのに…


「何の宿題が分からないの?」

「えーっと…英語が」

「俺が教えているのにまだ分からないの?」

「……ごめんなさい」


夏休みになって春休みのように何日間か海斗に英語を教えてもらっていた。
それでも難しくて分からないんだもん…


「そんな悪いような顔しないの。
英語は勉強したからって直ぐに出来るようになる教科じゃないからゆっくりやっていけばいいよ」

「…うん」


それから私はみっちり海斗に苦手な英語を教えてもらった。
疲れた…


「大変よく頑張りました」

「ありがとう…」

「けど1学期、よく頑張ったね。
前より出来てきているよ」

「本当!
毎日単語覚えたの」

「えらい、えらい」


そう言って海斗は頭を撫でてくれた。
落ち着く。


「まだ時間大丈夫?」

「時間?
大丈夫だよ」


時間は15時30分を少し過ぎたくらい。


「じゃあ出掛けよっか?」

「どこに?」

珍しいな。
普段あまり海斗は出かけるイメージがないから。


「海まで行こうか?」

「海?」

「俺誕生日だから一緒に付き合ってもらおうかなぁ〜って思って…」

「行く!
行きたい!」

玄関で「おめでとう」って言ったんだけどやっぱり祝えるなら一緒に祝いたい。

「じゃあ行きますか」

海斗は車の鍵を持って家に鍵をかけた。

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