ミルクティー
「海斗…私1人で大丈夫だよ」

「いや、俺が連れていくから。

連絡して」

「でも…」

「くくく……」

「陸、うるさい」

「はいはい」



なんだか海斗の機嫌が悪い。



私の事、迷惑なんだよね。



「私、そろそろ帰るね」


席を立った。
そうしたら当たり前の様に海斗も立ち上がった。


「海斗、今日はいいよ。
陸がいるんだから」

「あっ雛那チャン遠慮しなくていいよ!

雛那チャンのとこ、ちゃんと送ってやれよ」

「言われなくても」



なんだか気まずい。


やっぱり私って迷惑な子だよね。


海斗は海斗で忙しいはず。


子供の私のワガママに付き合ってもらっては悪い気がする。




そんな事を1人で黙々と考えていたら家の前に着いてしまった。



「雛那ちゃん、服見に行きたくなったら俺に“絶対”連絡して」

「でも迷惑じゃ…」

「そんな事ないよ。

連絡、絶対にして。


いい?」

「うん…」

「よろしい」




いつもより真剣な顔をして言われた。


そんな真剣な顔をじっとみつめていると―――…



ポチャン

1滴の“ミルクティー”が落ちてきた。




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