ミルクティー
ピンポーン



朝からずっと海斗に会えるのが楽しみだった。



「いらっしゃい」



チャイムを鳴らせばいつも優しい笑顔で迎えてくれる。

この笑顔が見たくていつも『部屋にきて』って言われた日は急いで帰ってくる。



「毎回…制服くらい着替えてくればよかったのに」


「急ぎの用事かと思って制服のまま来たのに」


「そんな急ぎの用事って訳じゃないんだけど…」



1分でも1秒でも早く海斗に会いたくて制服のままいつも海斗に会いにいく。


毎回同じ言葉を言われるんだけどね…



「雛那ちゃん、今日ここに呼んだのはね…」


「うん」



なんだか話ずらそうな感じの海斗。

何だろう。


私達は向かいあって座っている。

テーブルの上には海斗が淹れてくれた温かいミルクティーが湯気をたたている。



「海斗…?」


「陸からなんだけど…」


陸から?何だろう…

私に直接言ってくれればいいのに、陸だって私の番号やアドレスは知っているのに…




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