キミを想うトキ

しだいに空が瑠璃色に変わって



水平線に夕陽が沈む頃


「帰ろうか。」

そう言った飴玉男にあたしは頷いた





駅に着いた時にはもうすっかり日は落ちて


ホームに灯りがともる





「あ……」

ホームを歩いていたあたしは
立ち止まった


先を歩いていた飴玉男が振り返り
あたしの元へ歩み寄って来る




「どうしたの?」


「花火大会だって。」



古びた掲示板に
花火大会のポスターが貼られてる




花火なんてもうずっと見てないな…




そんなあたしを見て飴玉男が笑った

「行く?一緒に。」


「え?でも……」




ポスターに書かれてた日付けは明後日


会食の日だった




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