Tears in Heaven~天国へぼくの涙を~
ぼくは、アズミを抱きしめたい一心で、急いで川のなかへ入っていった。


アズミは、ぼくを見て、少し困ったかのような笑顔を浮かべた。


「まだ」とアズミの口が動く。


「まだ?!」


「まだ、駄目」


「駄目って、なんだ?!」


アズミが、いたずらっぽい顔でぼくの後ろを指さす。

そして、またあの柔らかな手つきで、ぼくに手を振った。


――そのとき、巨大な力がぼくの背中を引っぱり、ぼくは、いきなり暗いトンネルのなかへ飲み込まれていった。

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