小さな恋【完結】
ねぇ、大知。


あたしね……今、ようやく気付いたよ。


この胸の痛みも、呼吸が出来なくなるほどの息苦しさも。


切なくて


悲しくて


寂しくて


不安なこの気持ちの理由。



あたしね、大知が好きなんだ。


好きで好きで大好きで。


それが『愛してる』になるかは、分からないけど。


もうそんなことどうでもいい。


言葉じゃ足りないこの想いが、涙になって溢れだす。


人を好きになるのって、勇気がいるね。


……だからあたし、ずっと逃げたんだ。


人を好きになることが恐かったから。


恋して傷付きたくなかったから。


あたし……大知を好きになって気付いたよ。


恋って……こんなにも儚くて、こんなにも愛おしいっていうこと……。

< 140 / 460 >

この作品をシェア

pagetop