小さな恋【完結】
『4人で初めて会った時のこと覚えてる?真依子ちゃんと里奈はまだ中学生だったな。あの時から一哉は真依子ちゃんのこと気にしてたんだよ』


ケンちゃんからそんな裏情報を聞かされたのは最近のこと。


『前にさ、一哉屋上から一人で出て行ったじゃん?あの時さ、真依子ちゃんの元カレの話してたから、一哉ヤキモチ妬いてたんだよ』


そんな話を聞いたのも、当然最近のこと。


『一哉には全部内緒ね?』


もちろん、そんなこと一哉には言えない。


自信過剰だと思われたら恥ずかしいし、ケンちゃんの信用を落としてしまうことになる。


あたしはその話を胸にしまい込んだ。


罪悪感が体中を支配していたから。


2ヶ月経った今でも、まだ……


大知への想いが胸の中にくすぶっていたから。


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