小さな恋【完結】


中学3年の暑い夏の日。


「う~ん……。正直、お前じゃ難しいと思うぞ?」


桜丘高校を第一志望校に決めたと担任に話すと、すぐに渋い顔をされた。


確かに桜高校はこの辺りの地域ではそれなりに偏差値の高い学校として有名だったけれど、簡単に諦めるわけにはいかなくて。


この学校には、『あの人』がいるんだもん。


そう考えるだけで胸がドキドキと高鳴って、いてもたってもいられなくなる。


「まさかお前が受かるなんてなぁ」


合格が決まり鼻高々に報告すると、担任は驚きながらも「よかったな、おめでとう」そう付け加えて祝福してくれた。

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