小さな恋【完結】
―――………


『あたし、やっぱり元カレが好きなの。……本当にごめんね』


あの日、あたしは一哉に全てを打ち明けた。


2年前の大知との出会いから今に至るまでの出来事全てを。


一哉は何度も相槌を打ちながら最後まで真剣に耳を傾けてくれた。


『真依子が、元カレに未練を抱いてんのは知ってたよ。俺はそれを知ってて付き合ってたんだから、真依子が気にすることじゃないって』


一哉は冷静にそう言うだけで、あたしに感情をぶつけなかった。


『ふざけんな』とか『最低だ』とか。


そんな言葉で罵られても当たり前のことをしているあたし。


『少し、時間くれない?俺も色々考えたいから』


一哉はそう言うと、あたしの頭をクシャクシャと撫でた。

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