小さな恋【完結】
「メリークリスマス!!はい、これ」


「ほら、唯。お姉ちゃんにありがとうは?」


プレゼントを手にしたまま、俯く唯ちゃん。


お父さんが慌てて声をかける。



「……なぁ、唯……――」


あれ……?どうしたんだろ……。


お父さんはそこで言葉を切ると、目頭を押さえてキッチンの方に姿を消した。



「おねぇ……ちゃん。ありがとう!!」


「どういたしまして」


唯ちゃんの頭を撫でながらニコリと微笑む。


すると、唯ちゃんは目に涙を一杯ためて笑った。

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