小さな恋【完結】
「大知も今……空見てるかなぁ……」


胸元に輝くクロスのネックレスをギュッと握ると、気持ちが落ち着く。


薬指にはめられている指輪を太陽にかざすと、小さなダイヤが反射してキラキラと輝く。


「綺麗……」


あたしはポツリと呟いた後、鞄の中に手を突っ込んで生徒手帳を取り出した。


毎日持ち歩く生徒手帳。


その中にクリスマスに一緒に撮った写真を挟んで、毎日肌身離さず持ち歩いている。


写真の中で、あたしと大知は幸せそうな笑顔を浮かべていた。
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