小さな恋【完結】
『あたし達、遠く離れた場所にいても、同じ空の下にいるんだよね?』


『あぁ。隣に真依子がいないのは、すげぇ寂しいけどな』


『あたしだって……大知がいなくて寂しいよ。大知に……――会いたいよ』



大知がこの街を去ってから、『会いたい』という言葉は自分の中で禁句だった。


どんなに『会いたい』と言ったとしても、会うことはできないから。


『会いたい』という気持ちをメールに託して、大知に届けようかとも思った。


だけど、いつも途中で消していた。


大知にも余計なプレッシャーを与えてしまうから。


ずっとずっと、今まで我慢してたのに……――。
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