小さな恋【完結】

「なぁ、真依子」


「ん?なに?」


突然ピタリとその場に立ち止まった大知につられて、足を止める。


すると、大知は少しだけ顔を強張らせた。



「俺さ、まだ諦められてない」


「……え?」


「スゲェしつこいって自分でも分かってる。だけど、俺はまだ真依子のことが好きだから」


その言葉に心臓がドクンと激しく鳴り始めた。


「好き」という言葉が。


あまりにも純粋で真っ直ぐな大知の瞳が。


あたしには何故かとても怖かった。


あたしを見つめる大知の強い眼差しから逃れるように、あたしはただ俯くことしかできなかった。

< 70 / 460 >

この作品をシェア

pagetop