Sleeping baby ~眠り姫~

兄ちゃんの顔はアタシの水鉄砲攻撃のせいでビッショビショだ。


ちょっと目が赤くなっちゃってて可哀相な気もする。


でも兄ちゃんだって悪いもの。


兄ちゃんの濡れた髪からポタポタと水滴が落ちる。


その姿が少しだけセクシーに見えた。



「兄ちゃん…ごめん」



とりあえずこの場は謝ってみる。
親しき仲にも礼儀アリだ。



『ヒカル、悪いと思うならこれでおあいこな?』



兄ちゃんはじっとアタシを見つめてそう言うと、濡れた髪をかき上げながら、ゆっくりと近づいて来た。



『ヒカル…』





チュッ。




そっと触れ合う唇。


兄ちゃんとのキスはこれで2度目だった。


だけど、ドキドキと胸の高鳴りを感じながらしたキスは、これが初めてだった。



< 126 / 143 >

この作品をシェア

pagetop