スマッシュ!
斜めにネットぎりぎりにコートへ打ち込む。




決まればカッコイイ。






失敗するとネットが揺れて自分に跳ね返りぽとりと落ちる。






先輩はコートの端をやすやす狙い打ち。相手が取れない線の上…。とかに打ち込む。インかアウトかわからない際どいところへ。






とにかく、私は真似でもいいから打ちたくて見ていた。





手招きする。詩織先輩!
美しすぎる…。
「上田さん…。一緒にやろう。」






えぇ!憧れの詩織先輩が私に声を…。しかも練習相手をしてくれると!
軽くめまいと共にガチガチに緊張する。





ばし!バシュ!





「肘を伸ばして!打点をもっと高く!」





緊張していたが素直に聞いた。体に耳にすっと入る。





ぱしゅっ!






綺麗にネットを越えて…。鋭角にコートへ突き刺さる。





「いいよ!ナイスシュッ!」





「ありがとうございました!」





あぁ打てた…。気持ちいい。





「今のよかったよ!」






あの詩織先輩に誉めらている。夢かも。






長く苦しい筋肉痛…。筋トレ、基礎トレ、ランニングに耐えたご褒美かも。





しみじみしていると詩織先輩は笑顔で去っていく。





「いいなぁ…。」






「さっちゃん!」後ろに気配。






「よかったね…。私も打ってみたいな。」
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