スマッシュ!
必殺技?!
コーチ言わく、「個々の適正は得意技がひとつ有れば光るものだ。」






うんぬんかんぬん…。中学には難しいような、私が拒否してるのか。
わかったようなわからないような…。






私は…。打撃力が他の選手に比べどうしても落ちるらしい。






瞬発力と跳力は小柄な身体ではランク中の下でまあまあか…。なんてコーチはブツブツ。






小手先の技か…。で独り言が終わり…。






「お前はこれからカットドロップを覚えてもらう。」






(へ?…。カットドロップ?聞いたことがないよ…。普通のドロップじゃないの?)






「先ずは基本からだ!土台がなければ始まらない。筋トレを増やす。空打ちもだ。」






そんなぁ!空打ち…。羽がぶらさがっているのを打つやつ…。だから打点の調整からしろと…。
やっとコートに入ったのに。
なんて言えない。






「はい!よろしくお願いします!」






「バックも強化する。あと俺と打ち込みやるからな。」






なにぃ!えぇ!






「はい!」






信じられない…。しぬぅ…。






「大抵はバックが弱い。シングルでこれができなきゃいかん。逆に言えば相手も弱いということだ。」






ふんふん。なるほど。
だからやれと…。しぬぅ…。しぬぅ…。しぬぅ…。





とにかく耐えまくる。成せばなるとはよく言ったもの。
人間簡単には死なないらしい。やればやれる。
体を鍛えればなれてくるイコール成長だとコーチ。





もうバドミントンなしではいられなくなるほど。
いつの間にか熱中していく。





休みでも無性にやりたくなるほど。






最初は嫌だった。めんどくさとも思ってた。






でも技が決まれば、あの音。すかっとする。
やらなければわからない。
「ドンマイ!」
と仲間に言われたら頑張ってやれる気がした。
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