カベの向こうの女の子


「先生、この人」


女子高生の1人がそう言って俺を指さした



俺は女子高生3人の隣を見て心底驚いた




そこには黒いスーツを着た20代後半と思われるシュッとしたかんじの、教師がいた




なんで女子高生とその教師に囲まれたのか



俺は理解不能だった





「な、なんスか…?」




「ごめんね、藤原のことでこの子たちが…」



俺は教師にそう言われて、女子高生3人に視線を移した




俺を睨んでる



俺に好意を向けていないのは明らかだ




てか、藤原…って



春菜…?




春菜がなんか言ったのか?




「春菜になんの用事!?」





俺の考え事を遮るがごとく1人が言う



「は?いや…別に」




俺はこんなに敵意むき出しの女子高生になんでこんなことをきかれるのか




ピンとこなかった




「みんな心配してるだけなんだ」




教師が呟くように俺にそう言った




俺はそれを聞いて、頭の混乱したぐちゃぐちゃを整理する




女子高生は俺を睨んでて



教師もいて




俺がこんなふうにとり囲まれてるのは



春菜が理由…?



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