カベの向こうの女の子

家に送るときくらいは乗せてやりたいけど



のんびり話すのもいい



「なんか食いにいく?」




春菜は首を縦にふった




















このときは、このまま上手くいくと思ってたんだ




所詮、付き合うとかそういう以前の話にしろ




春菜と俺の関係はどんどん太くなっていくと思ってた




俺と春菜の距離は縮まって




これからもこうしてのんびり話したり笑ったり






だけど―…








俺の知らないところで春菜の現実は回ってて






春菜にとったら俺は頭の片隅のほんの一部でしかないことに気づく





とてもその片隅の俺が知りえない





知らない現実がもっと他にあったんだ









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