ワガママ彼女はオレの妹!?

オレが帰った時にはもうアイツはいなかった。




『今朝・・・出てったの。全寮制の女子校に編入したのよ・・・。』




アイツの姿を必死に探していたオレに、母さんがためらうかのように呟いた。



『何だよそれ。オレ昨日目ぇ覚ましたじゃねぇか!!何でその時言ってくんなかったんだよっ?!』



心の中ではそう叫んでいた。


けど・・・とても言葉にはならなかった。


全身の力が抜けていくような激しい喪失感。


怒りよりも悲しみよりも先に絶望が心を支配する。



アイツはもういない・・・。


オレに会わずに、離れて行ったんだ・・・。



そう思うと、腹の底から声を張り上げて泣きたかった。



でも、それをしなかったのは多分・・・


オレがおまえの『恋人』ではなく『兄』だったから・・・。


少なくとも、この家では・・・。



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