Lovers

その後空は


「…俺が絶対忘れさすから」


と言って再び私を
強く抱きしめる



私は、まだ熱さが残る唇に
罪悪感を覚えながらも


空の背中に手をまわし
胸に顔を埋めた













「…空…暑い…」

「え?あ…ごめん;」


現在夏真っ只中


屋上で二人、抱き合っていれば

当たり前に上からは
太陽が照りつける



「そろそろ帰ろか」

「そだね」


自然に私の手は、
空の手に包まれていて

そして手を引かれながら
帰り道を辿った










―夏休みが始まったばかりの
7月の出来事だった―


 
< 80 / 88 >

この作品をシェア

pagetop