Lovers
その後空は
「…俺が絶対忘れさすから」
と言って再び私を
強く抱きしめる
私は、まだ熱さが残る唇に
罪悪感を覚えながらも
空の背中に手をまわし
胸に顔を埋めた
「…空…暑い…」
「え?あ…ごめん;」
現在夏真っ只中
屋上で二人、抱き合っていれば
当たり前に上からは
太陽が照りつける
「そろそろ帰ろか」
「そだね」
自然に私の手は、
空の手に包まれていて
そして手を引かれながら
帰り道を辿った
―夏休みが始まったばかりの
7月の出来事だった―