地味男子


 なにあいつ……。



 適当に潤君って呼んでみただけなのにいっぱい喋れた。



 潤君の透き通った低い声がいっぱい聞けるなんてラッキーデーだ。



 こんなこと思うなんて初めてだけど。



 あたしも女だったんだ…なんて実感?




「ただいまー」

「柴乃ー。帰ってくんの遅いから。 早く飯!!」

「ちょっとは自分で作ってよねー。」

「は? どうした? 熱でもある?」


 意味わかんないんだけど…?


「なんで」

「顔がニヤ付いてる。 いつもなら自分から飯作るから待ってて言うのに」


「ニヤっ!?」

「ニヤ付いてる。」


 潤君のこと考えながら帰ってきたよね…?


 ニヤ付いてた?



 …あたしどうしたんだろ?



「熱あんの?」

「平気だしー、今ご飯作るから」

 
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