地味男子
「ねぇねぇ?」

 蒼井が話しかけてきた。



 でも、それ以上に問題が。



 教室の入り口から見覚えのある男の顔。


「ゆ…祐磨!?」


 蒼井を突き飛ばして出入り口に急ぐ。


 まさかまた蒼井がにらんでることなんて知らずに。



「こないでっていったでしょーが!!」

「だって気になるもん♪ 柴乃の好きな人…どれだー?」

「すっ、好きじゃないもん!!!」

「顔にスキって書いてある。 で、どいつ??」


 自分でも恋の好きかどうかなんてわかんないけど一応説明する。


「廊下側の一番後ろの男子」

「へー、あいつねー。柴乃のタイプっぽいな…ま、頑張れよ。 応援してやるから」

「ありがと」

「んじゃ、俺行くわ」


 祐磨はあたしの頭をポンポンと叩いて歩いて行った。


「んもぅ…子供じゃないんだから。 あたしのほうが上だし!!」


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