地味男子
「花、ありがとう」

「どういたしまして♪ アイスおごってよねー」

「またね」


 あたしは花を置いてお弁当を持って屋上から出た。



 出ていくときの屋上は来た時よりも暖かい風が通って行く。



 駄目だなあたし…。



 花がいなかったら立ち直ってないよ。



 教室に行くといつも通りのお昼のざわつき。



 蒼井はやっぱり女子にかこまれていて、潤君は本を読んでいる。




 何も食べてないの?



 あたしのお弁当を楽しみにしててくれたのかな?



 そっと気付かれないように近付いた。



「潤君!!」

「…」


 本から目を離しこっちを見た。


「お弁当食べてくれる?」

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