人声
記憶の底
まだ夏の暑さの残る
9月1日。

蝉の鳴き声。
蚊の飛ぶ音。
太陽の日差し。

全てを感じていない様子で
神崎りさはお墓の前で
手をあわせている。


おれも彼女の隣で
目を閉じ手を合わせる。


時折おれは目を開け
横目でりさを
チラチラ見ていた。



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