初恋
「これでも優しい方なんだからね?(笑)」
新品の刃物を私の腕にスッと縦に滑らせた
抵抗はしなかった
私が全部悪いから
少し遅れて、痛みがきた
結構長い距離を切られた
自分で腕を握って見れば、血がタラタラと流れてきた
「あたしからの愛…なぁんて(笑)」
彼女さんは器用に刃を私の左頬に滑らせてハートを描いたようだった
腕よりも深く刺されたから、少し、いや、凄く痛かった
「あんまりすると、あたし捕まっちゃうからなぁ。これで終わりでいいやぁ。…またねぇ。障害者さん」
静かにドアが閉められた