天狗様は俺様です!


 おっ落ちるぅ~!!


「た……たす、けて……」

 怖くてか細くなる声。

 痺れていた手は今にも外れてしまいそうだ。


「約束するか?」

 今にも泣きそうで必死な様子の私に、カイは変わらぬ声で聞いてくる。


 明らかにYesと言うまでこの状態を続ける気だ。



 カイの卑怯者~~~!



「分かったわよ! 約束する!」

 もう完全にヤケクソ状態で叫ぶ。

 意地なんて張っている余裕は無かった。

 Yesの返事をしたことで、カイは私を支えなおしてくれる。

 また顔を合わせると、私はカイの不敵な笑みを悔しげに睨んだ。


 でもカイはそんなことで怯むわけもなく……。


「じゃあ、約束したからな?」

 そう言って、約束の証だとでも言うように私の唇を奪った。



 疲れ果てていた私は仕方なくその口付けを受け入れる。



 これからどうなってしまうんだろう。

 キスをしてくるようになったカイ。
 私の心の異変。


 それらには、不安さえも感じさせられるのだった……。



《第四話 文化祭準備 【完】》

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