天狗様は俺様です！

「明日の天気、本当に大丈夫なのかな？」

　土砂降りとはいかないまでも、とめどなく降り続ける雨を見て呟いた。


　天気予報では晴れだと言っていたけど、現状を見ると信じられない。



「大丈夫でしょう？　天気予報では晴れだっていっていたし」

　私の呟きを聞いていたらしいお母さんがそう言ってきた。

　私は信じられないといった表情でお母さんを見る。


「それに金木さんとこのおばあさんも大丈夫だって言っていたし。あのおばあさんの天気予報は必ず当たるって有名なんだから」

「金木？」

　聞き覚えのある名前。


　そうだ、ミヤちゃんの名字と同じだ。



「そう、金木さん。実花、あそこのおばあさん知ってるでしょう？」

「へ？」

　記憶にないことを言われ私は間抜けな声を出す。



　金木さんちのおばあさん？

　そもそも金木さんってのがどこの家の人を指すのか分からないんだけど。



　不思議そうな顔をしていると、お母さんは少し呆れた顔で説明してくれた。


「ほら、あなた引っ越してきた次の日に散歩しに出たでしょ？」

「……ああ」