Honey Brown



「もう、なんで叫ぶのよ。早くして」


「は、はい…」


小さくなりながら部屋を出ると、安那ちゃんがいた。


「りいりい。あんまり気にしなくていいのよ?最近ちょっと彼氏とうまくいってないみたいなの」


「そっか…」


「まぁ、八つ当たりみたいなものじゃない?だから気にしないで?」


「うん…」


って、お姉ちゃん彼氏いたの!?

い、いつのまに!?


まぁ、そりゃいないわけないよねー。
あのルックスで性格もいいとなれば、モテモテなんだろうなーきっと。


「りいりいー?おーい?」


ハッ…また自分の世界に入ってた…
危ない危ない。


「ご、ごめん!下いこうか!」


アワアワしながら階段を下りる。


「ぷっ。りいりいってほんとおもしろい」


「わ、笑わないでよ安那ちゃーん!」


またも静かな住宅街に、私の叫び声が響くのでした。



< 135 / 313 >

この作品をシェア

pagetop