Honey Brown
「ですって安那さん」
「いやぁ、青春ですわねぇ春佳さん」
な、何よ、その近所のおばさんみたいな喋り方!
ものすっごくバカにされてる気分なんだけど!
「りいりいも早く彼氏作りなよ」
「そうそう。じゃなきゃあたし、安心してお嫁にいけないわ」
安那ちゃんは眉間にシワを寄せ、手をパタパタさせている。
お姉ちゃんは、パッと両手を顔にやり、シクシクと嘘泣きをし始めた。
「だからいらないって言ってるでしょー!」
「んっまー!どの口がそんなこと言うのかしら!」
さっきまで嘘泣きしていたお姉ちゃんが、キッを睨んで、頬をつねった。
「いひゃい、いひゃい!」
必死に抵抗すると、手を離してくれた。
「好きな人は?」
「好きな人…?」
好きな人ねぇ………
って、どうして棗くんの顔が浮かぶわけ!?
「私が棗くんを好き!?ないないないない!」
「ふーん。そうなんだ、好きなんだ」
「…へ?」
今の全部声に出てたよ、と素晴らしい笑みを浮かべながら言い、コーヒー牛乳を作りにいった。