Honey Brown
「あの、崎本くん…」
「あー、気にしないで。行っていいよ」
「…ごめんね」
「謝らないでよ、理衣奈ちゃん。別に悪いことしたわけじゃないんだし」
「…うん。じゃあ、行くね…」
ずいぶん先に行ってしまった優里を走って追いかける。
後ろがすごく気になるけど…でも、私が口出しすることじゃない。
優里がさっきのことを話したくなったなら話してくれればいいし、話したくないというなら無理に話さなくていいし。
…でもね、私にも優里が崎本くんの手を振り払った理由、少しだけ分かる気がするの。