キミに届け




冴子はいつもと全く変わっていないけど、あたしはいつもどおりなんて到底無理だった。


頑張ろうって気にもなれなかった。



俯くことしかできないでいると、



「元気ない?」



ぐっとあたしの顔を覗き込んできた。


あたしは慌てて顔を上げる。



「…ううん! ちょー元気」



そして笑う。


笑えてるのか分からない笑顔で。



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