終わらない歌を歌おう

家族

  ~呉羽~

「やばいぃ~遅れるぅ~」

 もう、最悪!

 考え事してたらもう練習始まりそうな時間だし!絶対銀ちゃんに怒られる。

 やだぁぁぁ~。

 まあともかく急いで部室に行こう。

 もうともかく急いであたしは走る。

 ドンッ

「ぐぇっ」

「きゃぁっ」

 いったぁ~。最悪。

 てか、誰かにぶつかったよね。

 前を向くと誰かしりもちついてた。

 ビ、ビンゴぉ~。

「す、すみません。大丈夫ですか?あたし前見ずに走ってて」

「あ、うん大丈夫。俺こそごめん、俺も前見てなかったんだ」

「うんんあたしが悪いって、ああっ、手怪我してる。大変、今絆創膏を」

「あ、本当。いいよこんなの。ただのかすり傷だし」

「だめっ。あたしが怪我させたんだもん。これくらいさせて?」

 走ってたあたしが一方的に悪い。

 それにばあちゃんが言ってたもん。

「怪我させたんなら、手当ては必ずしなさい」って。

「じゃあ、お願い」

 あたしは手際よく絆創膏を貼る。

「はいっ、これで多分大丈夫だよ。ほんとごめんね。それじゃあ、あたしはこれで」

 あたしはその場を急いでかけていった。

 
 でも、まさかこのことがきっかけであたしと宗悟の間に大きな溝ができるなんて思いもしなかった。




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