【短編】クロスロード ~ェンジェル~アルバム~
「おうっ澄香」

修斗は、
澄香を見て微笑む。

「今帰り?」

「うん」

「遅いな。
てゆーか、中学の制服!?」

「あ、うん、
私、中学生になったんだよ」

「そっかぁ~、そうだったんだね☆」

修斗は、眩しい笑顔で微笑む。

澄香は、
制服姿を見られて、
少しはにかみ気味に微笑む。


「今から帰るんだろ?」

「うん」

「送るよ」

「え?」

「真っ暗で危ないから送るよ」

「…うん…ありがと」


二人きりなんて恥ずかしかったが、
やはり、真っ暗の中、ひとりは怖い。

澄香は、
素直に送ってもらうことにした。



外灯の続く一本道を
二人で歩く。



「南中?」

「うん」

「あぁやっぱり。
制服でわかった」

「修斗お兄ちゃんは、高校生だよね?」

「うんっ」

「どこ?」

「慶蘭」

「えっ?
慶蘭!?…凄い」

「だろ?」

「……修斗お兄ちゃんって…頭良かったんだぁ…」

澄香は、目を丸くしながら真顔で言う。

「おい…
俺のこと、
馬鹿だと思ってただろ」

「うん
あっ…、ううん」

「こらぁ」


修斗は、
おちゃらけて
澄香の首を掴む。

その
こそばゆさに
澄香は肩をすくめる。


「あ、」


車のライトに気付き、
修斗は、
直ぐ様
澄香の体を自分の方へと引き寄せた。


ふわっと引き寄せられて、
修斗と澄香の体が触れ合う。


車は、速やかに通りすぎ、
修斗は、澄香を離した。

「危なかったな」

「う、うん」

緊張気味に返事をする澄香。

「あっ、ごめん」


我に返り、
緊張する修斗。


二人は、
互いに意識しながら、
澄香の家路へと
歩みを進ませていった。

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