幼なじみの距離
「お前の部屋入るの久しぶりかも」



岳明が部屋をせわしなく眺める。



「そうだっけ?あ.適当に座って」



岳明は少し悩む素振りを見せた後.床の上に腰を下ろした。



「これ見たかったんだよね−」



DVDを準備しながら.つい笑顔になってしまう。



「何の映画?」



岳明は部屋を眺めるのに飽きたのか.じっと私を見ていた。



「前話題になってたやつだよ。ほら.あのラブストーリーの!」



「お前なぁ.そういうのは彼氏と見れよ」



岳明が呆れた顔をして.ため息をついた。



「むっ.私に彼氏がいないの岳明が一番知ってるくせに」



「...出来たら困るけどな」



「えっ?何か言った?」



岳明が何か言ったけど声が小さくて聞こえない。


「なんでもね−よ。それよりDVD見るんだろ?」



「あっ.そうだった!」



慌ててDVDをスタートさせる。


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