スノー*フェイク



……おかしい。



今朝の一件から、華苗と繭には何も言われることなく午前中が終わった。


お昼も、何事もなかったように3人で食べた。


華苗も楽しそうに笑っていて、今朝のアレは夢だったんじゃないかと錯覚するほどだった。


……でも、おかしい。




『(なんで……華苗は“お茶会に行った”と思ってたの…?)』




あたしは昨日、教会に行くため2人に嘘を吐いた。


バイトが忙しいんだと。


それなのに。


どうして、お茶会が楽しかったかどうかなんて…?


あたしにカマを掛けたってこと…?




『(………わからないっ…)』




……もしかして。


最悪な想像が、頭をよぎった。


授業中にも関わらず、弾かれるように慌てて鞄の中を探った。


隅から隅まで、教科書のページを捲ってまで探した。


…ない、ないっ…!




『(バイトのシフト表がっ…!)』





……この事実が、最悪な仮説を導かせた。




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