スノー*フェイク


『お、覚えてるけど…』




それがどうかしたの?


口にする前に、2人は携帯電話を忙しなく操作していた。


は、速いっ…!


慣れた手付きで2人はそれぞれ電話を始め、3分と経たない内にパタンと携帯電話をたたんだ。


一体なにを…?




「 春 姫 ♪ 」




先ほどとは裏腹に弾んだ声で呼ばれ、あたしは寧ろ怯えた。


な…なにを企んでるの!?




「明日、私たちが春姫をドレスアップしますわ」




繭は両手を頬に添えて、可愛らしく首を傾げた。


い、いやいやいやいやそれはありがたいです……って、えっ?





2人の目が異常なまでに爛々と輝いていることに気付き、あたしはごくりと生唾を呑み込んだ。





< 75 / 126 >

この作品をシェア

pagetop