本当の心

偽りの言葉

「別れよう」


そう言われたのは土曜の夜だった。


あたしたちは、いつもどうりに公園でしゃべっていた。
特に行きたい所もなく、ただ会いたかったから。
でも、それは今思うと偽りの言葉だったのかもしれない。


あたしたちは、他愛もない話をした。
そして いつものように別れた。

でも、あたしたちの心だけはいつもどうりじゃなかったんだ。


別れを告げられたとき、あたしは何となく気づいていた。
ベンチに座りながら、あたしとの最後の時を胸に刻もうとしているような、ゆうりの表情があったから。
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