甘いシロップと香辛料

希望にむかって







「咲!?…、咲は?」





「今、がんばってます」





廊下に響く、薫とお母さんの声。
俺の子供が、今まさに生まれようとしている。


無事に…、生まれろ…。
ただ、イスに座ってそう願うしかなかった。
咲…、がんばれ。








1時間前。





「夕飯、なに?」




「あはは、お腹すいたの?」



いつもみたいに
仲良く会話をしていた。
咲はエプロンをつけて料理の準備をしていた。
出産日が近くて、
そろそろ心配だった。
日中は、おかあさんのところに行ってる日も多いから
心配はあんまりなかった。



でも、この若さで出産に絶えれるか心配だった。

でも、咲は笑顔でいまもいる。
お腹の仔も心配なさそうでよかった。
そう思ってソファーに座ろうとしたら




「うっ………」






カシャン…
とゆうはしが落ちる音とともに
咲が崩れおちた。
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